SINAR NORMA2017年07月26日

「フィルムカメラよ、さようなら」とばかりに「生前遺品売却」として、4×5、6×6、645のカメラ・レンズを売り払ったのは、ほんの2年前のことだった。
「でも、やはりフィルムカメラはいいね」と思い直した訳でもないのに、ついオークションで落札してしまったのが、以下のスイス製の業務用カメラ SINAR NORMA である。(台所で撮った)
 落札価格は 31,000円である。
 400mmのF6.3、65mmのF8 の2本のレンズがおまけで付いていた。他に、レリーズ、フィルムホルダーなどのアクセサリーが専用のケースに入っていた。点検してみると、ちゃんと結像しピントが合う。フィルムを買ってくればすぐに撮影ができる。
 この SINAR NORMA は、1948年から1970年まで製造され発売された。日本での販売では、NORMA という名称が「労働ノルマ」のようだからか、SINAR S とされた。
 SINAR S は、写真家の土門拳が「古寺巡礼」を撮るために使ったカメラである、といえば分かりやすいであろう。初めて日本に3台入ってきたもののうちの1台を土門拳が買ったとNHKの2009年のドキュメンタリー「仏を睨む眼 土門拳」で弟子の一人がいっていた。1950年代の話であろうから、当時の SINAR NORMA は高価だったろう。

 私が落札した 31,000円の SINAR NORMA は、1968年製造のようだ。博物館行きといえる。
 長くケースに入れて保管されていたようで、カビ臭い。でも、品物はいい。しばらくは分解、清掃、点検をすることになるだろう。実際に撮影するのは何時になるか分からぬが、31,000円の骨董の整備を楽しむことができる。