Earthrise(地球の出)2018年06月07日

「月をめざした二人の科学者」を読み終えた。
 二人の科学者とは、ドイツでV2ロケットを作ってアメリカに投降しサターンVロケットを作ったフォン・ブラウンとソ連のロケット開発を進めたコロリョフだ。ロケット開発の歴史、戦後の月をめざす宇宙競争の歴史が書かれている。日本人が書いて2000年12月に発行された本だが、2005年にBBCが制作し放送した「Space Race」の原作本であるかのようだ。
 小学校の頃に人工衛星が地球を周り、二十歳になる前に月面歩行が実現したのを自分の成長とともに見てきた私のような人間向きの本だ。その当時は分からなかった詳細なことが書かれている。特にソ連の宇宙開発は秘匿されていたから初めて知ることばかりだ。
 フォン・ブラウンは1945年5月3日にアメリカに投降した。NHKのドキュメンタリー「ロケット開発史」を観るとその際の映像では左腕にギブスをつけている。骨折したようだが、NHKのナレーションでは説明がない。実際は、その1ヶ月前に運転手の居眠り運転のために灌木に突っ込んで骨折していたと「月をめざした二人の科学者」書かれている。
 コロリョフの人間性も書かれていて、妻が医学の道を志すため別居したところコロリョフは秘書の一人と不倫をして、結局、離婚、コロリョフは秘書と再婚をする。
 機密保持のためにソ連はコロリョフを隠していたから、やっと名前が国際的に出たのは1966年の死後のことだ。ソ連の体制が崩壊したのは1991年でそれまで機密扱いだった宇宙開発に関する情報がだんだんと世に出て、この本が書けるようになったのだろう。
 アメリカの巨大ロケットエンジンの技術もソ連があるうちは秘匿されていたから、詳細なエンジンの構造などが分かったのは冷戦が終わってから以後のことだったろう。
 We Choose to go to the Moon とケネディ大統領がいった1962年から、巨大なサターンVロケットを作り、1966年に完成、1969年7月20日に実際に月に降り立った。ほんの7年間のことだ。今から思うと、なんとも速いスケジュールではないか。

 この本でも触れられている超有名な Earthrise(地球の出)の写真は、1968年12月24日、アポロ8号の月周回飛行中に70mmのフィルムの入ったハッセルブラッドで撮られた。初めて人間が月を周回した時だ。
 地球はなんとも、にぎやかな星ではないか。
 この写真は、NASAのサイトで3000×2400の画素数で公開されている。
 1969年、アポロ11号で初めて月面に降り立った。その後、1972年のアポロ17号でアポロ計画は終わり、以後、人類は地球を周る軌道外に出ていない。宇宙への熱い競争は終わったのだ。
 最後のアポロで撮られた地球の写真を「The Blue Marble(ザ・ブルー・マーブル)」と呼ばれて、これも超有名だ。アラビア半島からアフリカ、マダガスカル島、そして南極まで見える。
 これまでの無人の探査衛星によって、どうやら太陽系では、地球以外は生き物のいない荒涼たる星々であるようだ。NASAの有人火星飛行は2027年以降といわれているが、あと9年以降だ。それには熱い競争はない。
 私としては、来年、アポロ11号から50週年であるから、記念の著作物、模型、おもちゃなどが出てくるのではないかと楽しみにしている。