レコード盤(16) Animals ピンク・フロイドを見直す2017年03月02日

 一週間前だったろうか、ニッポン放送の上柳昌彦「あさぼらけ」を聴いていると、ピンク・フロイドのアルバム Animals の冒頭の曲、Pigs on the Wing 1 がかかった。
 この日の選曲テーマは「ありえない話」。
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・銀の龍の背に乗って/中島みゆき
・翼をもった豚/ピンク・フロイド
・イルカに乗った少年/城みちる
・森のくまさん/パーマ大佐
・帰ってきたヨッパライ/ザ・フォーク・クルセダーズ
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 テーマはどうであれ、早朝、久しぶりにしみじみと Pigs on the Wing 1 を聴いてみれば、いい曲だと思った。
 昼過ぎになって、今から40年前に買ったレコード「Animals」を全部、聴いてみた。
(レコードジャケットだけは、特注のアクリルフレームに入れて私の部屋の壁にかけてある)
 アルバムの全部を聴いたのは、この40年で4度目ぐらいだろう。暗い、退屈なものだと思っていたが、この歳になって聴いてみるといい感じだ。そして分かったことは、2面から聴くべきアルバムだと思った。
 真正直に1面から聴くから、退屈で、2面を聴くのをやめてしまっていたのだ。1面の最初の曲、Pigs on the Wing 1 は、1分25秒と短く、犬の遠吠えの Dogs は 17分と、これが長く退屈でうんざりする。
 2面は、Pigs (Three Different Ones) 11分25秒、Sheep 10分25秒、Pigs on the Wing 2 1分23秒となっていて、特に、Pigs (Three Different Ones)はリズムがよくメリハリがある。
 YouTubeで探したら、昨年の9月だかのメキシコでの野外コンサートのPigs (Three Different Ones) があり、これが素晴らしくて驚いた。
 歌っているロジャー・ウォーターズは御歳73。ビジュアル効果があるからかもしれないが、1977年の時より遥かにいいではないか。
 そして、あの、デビッド・ギルモアはどうなっているのかとYouTubeで探して見ると、2005年のロンドンでのライブでの Comfortably Numb があった。ロジャー・ウォーターズと一緒にやっている。
 1979年のアルバム The Wallの中の曲で、情緒的で私の好きなものだ。これもレコードよりも遥かにいい。羅漢さまのようなデビッド・ギルモアは、現在、御歳70。
 
 昨年、イギリスの年金を請求できると、ふと気付いたと同じように、Pigs (Three Different Ones)、Comfortably Numb とピンク・フロイドの再発見だった。
 ちなみに、イギリス年金は1月より毎月滞りなく入金されている。

レコード盤(15) The Wall2016年01月08日

 調べてみると、ピンク・フロイドの「The Wall(ザ・ウォール)」は、1979年11月にイギリスで発売されたようだが、その年の12月末に私は日本に戻っていて、これを買ったのは1980年の夏だと思う。もちろん日本の国内盤だ。
 レコードジャケットは裏表とも、レンガで積み上げられ白いペンキを塗られた壁を表している。タイトルもなく素っ気ない。
 ピンク・フロイドのその前のアルバム「ANIMALS」は、レコードジャケットのデザインだけを見て買ったが内容はつまらない。
「The Wall」のジャケットは貧相だが、なかなか聴かせる。2枚組のアルバムで全曲が関連したストーリー性を持っている。イギリスでは発売前から、その中のメインテーマ曲の「Another Brick In The Wall」が流行っていた。ピンク・フロイドとしては聴きやすく馴染みやすいアルバムだ。
 
 1982年、「The Wall」がアラン・パーカー監督で映画化された。1983年に日本で細々と公開されたので日比谷の映画館へ観に行った。
タイトル文字がない「The Wall」のジャケット
 
「ANIMALS」のジャケットの裏表。
 館内はガラガラだった。
 主演は、「I Don't Like Mondays」のボブ・ゲルドフ。1時間30分のビデオクリップといった内容で、映像と音楽のマッチングが素晴らしかった。
「The Wall」を聴きたいと思ったら、レコードはもちろんのこと、CDよりも、この映画のDVDを観たほうがよっぽどいい。

レコード盤(14) Liza With a "Z"2015年12月30日

 レコード盤を整理していて、そうだ! こういうレコードも持っていたな、と気付いた。
 1972年、アメリカで「Liza with a "Z"」というテレビ放送向けのショーをフィルムで撮って作られた。後にNHKで放送されたのを私は観ている。当時、テレビはステレオ放送でなく、ビデオテープ、DVDはなかった。いい音で聴くにはレコードしかなかった。
 これを買ったのは1974年だと思う。今になって思えば、これがライザ・ミネリの最高のパフォーマンスだ。
 ライザ・ミネリ(1946年生まれ)は、映画「オズの魔法使」のジュディ・ガーランドの2番めの夫ヴィンセント・ミネリとの娘。ミュージカル「キャバレー」の舞台、映画で、人気絶頂になり、アカデミー賞主演女優賞をとっている。母親ゆずりの歌唱力があるが、母親に似てアルコール依存症、薬物中毒で、今でも苦しんでいるようだ。キャバレーに歌われているチェルシーのエルシーが実感を増す。(右の詩)日本語訳はこちらを→参照されたし
 
 国内盤にもかかわらず、いい音だ。ライザ・ミネリの歌唱がパワフルであるから、盤の品質以上によく聞こえるのかもしれない。1974年に買っておいてよかった。
 
 ご参考:当時のテレビ放送のものがYouTubeにあった。42年ぶりで懐かしく映像を観た。顔にもインパクトがある。

I used to have this girlfriend known as Elsie
With whom I shared four sordid rooms in Chelsea
She wasn't what you'd call a blushing flower
As a matter of fact she rented by the hour

The day she died the neighbors came to snicker
"Well, that's what comes from too much pills and liquor"
But when I saw her laid out like a Queen
She was the happiest corpse, I'd ever seen

I think of Elsie to this very day
I remember how she'd turn to me and say
"What good is sitting all alone in your room?
Come hear the music play
Life is a cabaret, old chum
Come to the cabaret

And as for me
And as for me
I made my mind up, back in Chelsea
When I go, I'm going like Elsie
Liza Minnelli - Liza with a "Z": A Concert for Television (1972)

レコード盤(13) Stabat Mater2015年12月24日

 きょうは切支丹のクリスマスの前日であるから、それらしいレコード盤の話。
 
 ペルゴレージのスタバト・マーテルは、1980年代に秋葉原の石丸電気のレコード売場で買ったものだ。故人であるオーディオ評論家の長岡鉄男が「外盤A級セレクション」というシリーズものの本を出していて、そこで紹介されたレコード盤のコーナーが石丸電気にあった。この盤はフランスのHarmonia Mundi(ハルモニア・ムンディ)製でジャケットのデザインが気に入ったから買ってみた。
 スタバト・マーテルは、イエス・キリストが磔刑にされ、母マリアの悲嘆を想う内容の聖歌で、いろいろな作曲家が曲をつけている。18世紀のイタリアの作曲家ペルゴレージもその一人だ。26歳で、この曲を完成させた直後に亡くなったそうだ。
 ボーイソプラノのセバスチャン・ヘニングとカウンターテノールのレネ・ヤコブの二人の合唱。小規模な弦楽の編成。
 セバスチャン・ヘニング少年の歌声が見事すぎる! レネ・ヤコブさんはいなくてもいいのだけれど、二人で歌うものだからね。
 教会で録音されたらしく、残響音、反響音がその空間を感じさせる。
 B面の3曲目あたりでコツコツと盤面の傷があるような音が出る。そこで、同じものをもう1枚買ってみた。その音は同じだった。後に、CD化されたので買ってみたところ、それも同じだった。録音中に入った音なのだろう。
 この盤を2枚買ってよかったと思っている。今でも一番よく聴くのはこのレコード盤だからだ。
 見事な録音、音の良さ、ジャケットデザインの良さに気をよくして、以後、フランスの Harmonia Mundi 盤を集めた。現在、私の持っているレコード盤の半分は Harmonia Mundi である。
 
ご参考:このレコードと同じ音源の PERGOLESI - STABAT MATER - JACOBS & HENNIG