日本列島 濱谷浩2017年08月17日

 ノスタルジーに誘われ、1964年、東京オリンピックが開催された年に発行された、濱谷浩の写真集「日本列島」を古書で手に入れた。
 ほぼA4サイズの週刊誌のようなグラビア印刷の薄めな本で、当時は600円だ。熊本の古書店で1,000円+164円の送料で買った。北海道から沖縄の石垣島までの自然の姿が、ほとんど空撮の写真で111枚ある。
 実は、この本は所有していた。1964年当時に書店では平積みされていたものだが買い逃したため、6年後ぐらいに古書店で300円ぐらいで買った。それから数年後、東京へやってきたスウェーデン人に日本の土産としてこれを贈呈した。
 そして今になって、また、そのページを見たくなったのである。市立図書館に蔵書としてあったが閲覧のみで貸出はないから買うことにしたのだ。
 発行されてから53年経過しているページはさすがに色の鮮やかさが失せている。でも、これだけの色失せならば、この本の保存状態がよかったのだといっていい。
 写真家、濱谷浩のスタイルがあり、写真に人家や人は見えない。日本列島の風景はあっけらかんとしている。
 日の出直後、日没の燃えるような派手に赤くなる山の写真を撮ろうとする白川義員とは異なっていて、日々の、見慣れた風景として撮っているのがいい。
 観光用を目的としての撮影ではないからか、尾瀬を撮った写真には水芭蕉が咲いていない。私は一度だけ尾瀬ヶ原へ行ったことがるが、水芭蕉の時期ではなくて、このような感じだった。水芭蕉の時期は短いのだ。また燃え上がるような赤い山も滅多に見ることができないものだ。
 紅葉の写真も地味である。
 人工物を撮っていないからか、53年前との差異を感じることはない。
摩周湖
尾瀬ヶ原
摩周岳 火口底針広混合林

私の TOKYO STYLE2017年08月15日

 1993年、TOKYO STYLE という大冊の写真集が発売され、大きな書店では平積みになっていた。当時の下宿、賃貸アパート、一軒家の、人々が住まわっている部屋を撮ったもので、住人は写っていない。いかにも、日本の都会の、日本人の住まいの特徴が、散らばっているゴミ、チリ、煙草の吸殻と一緒に詳細に見える。そのために4×5のカメラで全ての写真が撮られている。
 書店で何度か私は手にとってページを開いて写真を見て、欲しいと思ったが、買わなかった。12,000円と高価だったからだ。(裏表紙の価格を見てほしい。当時は3%の消費税だった)
 それから24年後のきょう、古書店に注文した TOKYO STYLE が届いた。送料込みの価格は 3,780円だった。
 本屋で立ち見をしただけで、全部の写真を見てはいないから、この際、買ってみたのだ。1990年代初頭の個人の部屋の写真は、かえって、その時代よりも、今見たほうがいいに違いないと思ったのだ。
 比較的、小ざっぱりした趣味人の部屋のページを見ると、窓脇の机の上にMacintosh Ⅱの Cx だか Ci だかが乗っている。1990年あたりの発売のものだ。私も自分の仕事場の机の上に乗っていた。他のページの多くの写真では、レコードとCDが混在していたことが見える。人はいなくても部屋にある物の存在が時代と人を見せてくれる。

 この写真集を見たからではないが、私は1993年9月から4×5の写真をやりだした。それで試し撮りをした中に、私の一人住まいの東京都江東区の部屋の写真(1994年撮影か)がある。
 椅子の背もたれにピントを合わせているだけで、アオリ機構を使って撮っていないから、手前、奥はピントが外れている。それでも、写っている物には見覚えがある。私の前のテーブルに煙草とライターが置いてある。この頃は煙草を吸っていて、その銘柄はマルボローライトだった。後ろのテーブルに茶色の縦長のボトルが置いてある。VOLS というオランダの芋焼酎だ。
 逆方向から写したものには、パイオニアの大きなスピーカー、Sony の1992年発売の32インチのブラウン管ハイビジョンテレビ、1994年発売のビクターのアナログのハイビジョンテープレコーダー HR-W1 などがある。
 これが私の TOKYO STYLE だった。

青空文庫の谷崎潤一郎2017年07月30日

 今年2月に青空文庫の谷崎潤一郎「痴人の愛」の校正作業を引き受けた。きょう、「痴人の愛」が青空文庫において公開された。校正を終えてから5ヶ月ほどだ。
 校正作業は2月22日に終わりデータを提出したが、その後、チェックが行き届いていない箇所があるのではと不安になり、4月になって見直しをしたところ11箇所の訂正箇所を新たに見付け、4月24日に再提出した。(校正作業の詳細→「痴人の愛」の校正 谷崎潤一郎全集 没後版(その22)
 公開前には青空文庫のスタッフがチェックするようだから、私の2度めの提出の後もスタッフの手で訂正があったかもしれない。

松本清張地図帖2017年07月27日

「松本清張地図帖」を購入した。新古本だから1,091円。1955(昭和30)年代の日本地図、付録には都電の路線地図が入っている。ノスタルジーに生きる私にはうってつけの内容だ。60代、70代の爺さま向けの内容なのだ。
 今から7年前に発行された本で、何故、これを知ったかというと、タモリ倶楽部 クイズ帝国書院(2016年12月9日放送)をYouTubeで観て、タモリの後部にこの本の広告が写っていたのだ。
 東京に住んでいた頃は「タモリ倶楽部」を観ていたが、今は時間の関係でYouTubeで観ている。
 内容として、「点と線」、「ゼロの焦点」などの小説を地図を含めて解説しているが主だが、私には「資料編」として1957(昭和32)年中学校地図帳が載っているページがうれしかった。帝国書院は教科書の地図帳を作っている会社なのだ。私の頃の中学校の地図帳を保管しておけばよかったと思うときが度々あったが、この「資料編」である程度、満足できる。
 昭和32年当時の鉄道網を見ると、廃線になったところがよく分かる。北海道などは特に廃線の数が多いのが分かる。
 付録の地図は、都電の路線図。東京に長く住んだが、実際に都電に乗った回数は少ない。この路線図を見ると、その数少ない私が乗った路線を確認できるのがいい。